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7月 火への感謝祭
2010/7/21
7月は、「火への感謝祭」を行いました。昨年、新潟市で行われた「水と土の芸術祭」にちなみ「水と土への感謝祭」を行った後、「来年は是非、火への感謝祭をしたいですね」という提案がありました。



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火といえば、料理や風呂など私達が日常生活を送る上で欠かせない大切なものですが、翠風園では一昨年に「地球様への感謝祭」を行いましたので、火の燃料となる石油、石炭、ガスなどを作り出して下さっている地球様への感謝にも繋げて行きたいと考えておりました。

感謝祭当日は、ろうそくやストーブなどの画像やマグマの映像のスライドショーをみながら、火へ感謝の想いを一緒にお送りし、利用者様、職員共に感謝の言葉を発表させて戴きました。その中で、特に印象に残った発表をご紹介したいと思います。 

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            「火への感謝の言葉」

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私達はこの美しい地球に生まれ、水と土を始めたくさんの地球の恩恵を受けて今を生きていられます。

全ての生き物にとって、父であり母である地球の成り立ちは、宇宙の小さな塵か砕け散った岩の塊がとてつもない長い年月をかけて、水と土を持つ豊かな大地となり、生命を誕生させてくれました。そして、たくさんの生命を育み、人間の為に火のエネルギーをも与えてくれました。

暖を取る為の、又、食べる為のささやかな火は、さまざまに変化して物を作り、私達の生活を豊かにしてくれました。私も家族もその恩恵を受け、雨雪をしのぐ快適な家に住まい、暖かいご飯を頂き、ゆっくり布団で休む事も出来る、とてもありがたく幸せに思います。

火の元となる燃料は地球の体内にあり、わが身を削ってと言うより、勝手に削られ、掘られても尚、静かに見守ってくれました。しかし人間のあまりの身勝手と強欲に地球が荒らされ、天地も怒ったのでしょう、氷河が溶け、大雨、干ばつと私達に深刻な試練を与え続けています。

動物は腹を満たすだけの必要な獲物だけ捕らえ、植物は、日の差さない谷間でも、水のないような高山でも、美しい花を咲かせて生きています。

人間だけが環境を破壊する程贅沢をして良いはずはありません。

子供や孫やさらに先の未来を生きる人達に、美しい地球を残す義務が、私達一人一人にあるのだと思います。

この先、年を重ね病気になっても、やはり木々は美しく、花が咲いて、風が吹き渡るこの国に、地球に人として生まれて良かったと心から感じると思います。

地球に生かして頂いている幸せに感謝し、父と母なる大地に感謝致します。 

こうして、水や土、火の一つひとつに想いを向けさせて戴くと、一番の大本である地球様に対しての感謝が、少しずつ深まって行けるのではないかと実感しております。

また、一週間にわたって行事を行いましたが、ある日利用者様が来園直後に、「今日も火の祭りだかね? ほんに火の有難みなんて、何も考えて来なかったね。今までずーっと無鉄砲に生きて来て、当たり前だと思って来たけど、言われてみればほんに有り難いものだった。気が付かなかったね。当たり前の中に、有り難いものがいっぱいあったんだねー。火の祭り、良かったよ」と、ニッコリしながら感想を話して下さいました。

利用者様が言われた様に、当たり前の中にまだまだ沢山の感謝の種があるのだと思いますが、まずは気がつかせて戴いた時点から、感謝の心を忘れずに火を使わせて戴こうと改めて思いました。

そして最後になりますが、嬉しかった事がありましたのでご報告させて戴きます。男性の利用者様が「今日の火の感謝は良かったよ。さて、次は何に感謝かな?」と晴れやかなお顔で職員に話して下さったそうです。

毎回試行錯誤しながらの感謝祭ですが、大先輩の利用者様のお姿に習いながら、一つでも感謝を身につけて行きたいと思います。